昭和地方財政史
第五巻
都市財政と都市開発 都市経営と公営企業

高寄昇三 著
定価(本体5,000円+税)
2015年9月1日発行
昭和地方財政史 第五巻
都市財政、ことに大都市財政は府県・町村財政とは異質の財政であり、国政委任事務の下請団体ですが、同時に都市行政の企業的経営団体でした。

六大都市の財政規模は、昭和10年度歳出予算6.51億円、府県財政5.10億円を上回っているだけでなく、公営企業経営・都市計画実施・貧民救助対策など、都市行政の独自の課題をかかえていました。
さらに財政運営においても、先行的都市計画の遂行、民営公益企業との競争、民営公益企業の買収、膨大な地方外債の償還、極端な超過課税、過酷な受益者負担金など、苦しい財政運営を余儀なくされました。

このような異端ともいえる大都市財政への関心は、政府のみならず研究者の間でも薄く、大都市財政問題は、粗略に処理されてきました。 しかし、そこには戦前の地方財政の根本的矛盾が集約されており、政府がその欠陥に触れたくない、中央統制の実態が隠されています。


目 次

第1章 都市政治の変貌と都市経営の形成
第2章 財政制度の改革と都市財源の拡充
第3章 都市政策の実践と都市行政の成熟
第4章 公営企業の発達と公営一元化の戦略
補 論 三部経済制の廃止と大都市財政の凋落



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