昭和地方財政史
第三巻
府県財政と国庫支援
地域救済と府県自治
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高寄昇三 著
定価(本体5,000円+税)
2013年4月30日発行
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戦前昭和期、地方財政は国策に翻弄されました。
金解禁のための圧縮命令、時局匡救事業のための拡大措置、さらに戦時財政の総動員協力財政と、政府の地方財政への介入は浸透していきました。
しかし、府県・市町村がうけた被害は一様ではありませんでした。
府県は補助金の肥大化、都市財政は都市整備財源の不足、町村財政は絶対的窮乏でした。
したがって、地方財政を一括してあつかっていれば、これらの問題は、全体のなかに埋没して、摘出できません。
『昭和地方財政史第3巻』では、思い切って府県財政をあつかいますが、個別財政分析でなければ、高次化・複雑化したそれぞれの財政的課題の解明ができないからです。
そのため、府県行財政を、府県という組織の体質・行動にもふれ、総合的に分析・評価を試みました。
(「はしがき」より)
目 次
第1章 府県財政と地域救済策の実践
第1節 府県財政と経済恐慌
第2節 府県財政運営と政府間関係
第2章 府県歳入と格差是正策の展開
第1節 担税力格差と財政需要格差
第2節 府県税変貌と地方税主義の崩壊
第3節 財政支援と国庫補助金の膨張
第4節 地方資金と府県債機能の拡大
第3章 府県歳出と国策遂行策の検証
第1節 土木勧業事業の膨張
第2節 教育生活行政費の低迷
第3節 農政補助の政策的誤謬
第4節 時局匡救事業と戦時特別財政
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