本書は、自治体職員の「専門性」を〈自治体職員が社会の中で果たすべき役割からくる能力〉と定義し、その「専門性」を、文献と実証研究により明らかにしていきます。
〈本書の特色〉
1 丹念な文献の考察により、「専門性」の概念が分析され、整理されています。
抽象的で多様な意味を含む「専門性」概念を、〈倫理〉〈専門的な知識や技術〉〈政策立案展開力〉〈基礎〉の4つの人的要素として明確化しました。
2 実証研究では、現職自治体職員の人事異動と研修履歴について、長期間にわたり精緻な資料を作成し、分析しました。
これは、自治体の人事課でさえやっていない詳細な実証データによる能力開発過程の考察を可能にしました。
3 「専門性」を構成する4つの人的要素の習得状況をレーダーチャートにより可視化することを試みました。
これにより、本書で示した「専門性」と4つの人的要素が、実際の自治体での人材育成に展開可能なことを示しています。
目 次
まえがき
序論
第1章 「専門性」概念の歴史的変遷
第2章 自治体の人事異動・研修制度・職員意識
第3章 現代自治体職員の「専門性」概念−インタビューより−
結び
参考文献
あとがき
|