私たちの世界遺産 3 世界遺産登録・最新事情 長崎・南アルプス |
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五十嵐敬喜、西村幸夫 編著 公人の友社 定価(本体1,800円+税) 2010年2月15日発行 |
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第1部は、長崎で行われた第3回世界遺産フォーラムの記録です。 2008年、平泉の世界遺産登録が延期されたこともあり、端的に「どうしたら世界遺産に登録できるか」という切実な問いが焦点となりました。 第2部では、南アルプスの世界自然遺産登録への取り組みを紹介しています。 次回、第4回世界遺産フォーラムでは「南アルプス」が取り上げられることになっています。 第3部では、第2回世界遺産フォーラムの舞台となった鞆の浦をめぐる「景観保全訴訟」の詳細を掲載しました。 この訴訟は、鞆の浦の埋め立て架橋計画に反対する地域住民が広島県を被告として、埋め立て免許差し止め請求を提訴していたもので、平成21年10月1日に差し止めを認容する判決が言い渡されました。 本訴訟は、日本国内のみならず世界中からの注目を集めました。世界遺産に関するユネスコの諮問機関イコモスが4度も計画の中止を求める決議を行い、また多数の反対署名なども寄せられました。 このような世界からの反対意見も裁判所に提出され、世界的な支援の動きは、裁判所にも伝わったようです。 目 次 はしがき 第1部 シンポジウム記録「第3回 世界遺産フォーラム in 長崎」 ◆<基調講演>平泉における取り組みの経過 千葉信胤(平泉町世界遺産推進室) ◆世界遺産登録の動向について 西村幸夫(東京大学大学院教授) ◆パネルディスカッション 長崎の教会群の世界遺産登録と「秩序ある公開」」 パネリスト 林一馬(長崎総合科学大学学長) 浅野ひとみ(長崎純心大学准教授) 後藤太栄(和歌山県高野町長) 高谷基彦(京都市都市計画局都市景観部景観政策課長) 左海冬彦(国土交通省国総研住宅計画研究室長) コーディネーター 五十嵐敬喜(法政大学教授) コメンテーター 西村幸夫(東京大学教授) 挨拶 田上富久(長崎市長) 宮崎善信(カトリック長崎大司教区) 世界遺産フォーラムin長崎からのメッセージ 第2部 南アルプス世界自然遺産登録に向けて 世界自然遺産と南アルプス世界自然遺産登録推進協議会活動の紹介 南アルプス世界自然遺産登録推進協議会 南アルプス世界自然遺産登録に向けて何が必要なのか 岩槻邦男(東京大学名誉教授・文化功労者) ◆地形・地質「クライテリアviii」 地形・地質から見た南アルプスの特質 狩野謙一(静岡大学理学部教授) ◆生物多様性「クライテリアx」 昆虫類から見た南アルプス 中村寛志(信州大学農学部教授) ◆生態系「クライテリアix」 南アルプスの高山植物 増沢武弘(静岡大学理学部教授) 第3部 世界遺産登録に向けて 鞆の浦世界遺産訴訟の報告 日置雅晴(弁護士・早稲田大学教授) 長崎「信仰の力」 五十嵐敬喜(法政大学法学部教授) |