生存科学シリーズ No.8
地域分散エネルギーと「地域主体」の形成
−風・水・光エネルギー時代の主役を作る−

小林久・堀尾正靱 編
地域分散電源等導入タスクフォース 著
定価(本体1,400円+税)
2011年10月31日発行
地域分散エネルギーと「地域主体」の形成
自然エネルギーに関する関心は、東日本大震災を契機に、さらに高まっています。
しかし、地域での自然エネルギーへの取組みは、必要とされる水準から考えると、まだまだ初歩的な水準にとどまっています。

これまでのプロジェクトの多くは、都市側からの投資による発電事業であったり、自治体のショウケースとしての実証事業であり、地域の人びとの本気度はまだ不十分に思われます。

もともと、風や雨・水、太陽の光は、特定の誰かのものとしてそこにあるのではありません。
「地域の自然エネルギーを利用して利益を得るのは、まず地域の人びとである」
というのが、自然エネルギー利用に関する原則ではないでしょうか。

地域の人びとが、地域にある自然エネルギーの可能性を見つめ、十分に検討を重ね、地域に吹く風や降る雨、ふりそそぐ太陽の光を利用する方針を、民主的なかたちで定めていくことが求められています。
このような地域側からの自律的な担い手を「地域主体」ということにします。

これまでのわが国の自然エネルギー事業化に欠けていたのが「地域主体」への敬意や配慮でした。
また、地域の人びとのほうでも、自分たちが主体としてやらなければいけないこと、やれること、であるという認識が不十分でした。

本書では、個別課題における地域主体とのかかわりの議論や、それらをどのように体系的に理解していくのかといった議論を紹介していきます。


目 次

本書の刊行によせて
「地域分散電源等導入タスクフォース」と「地域主体形成」

第1部 地域主体形成を問い直す
  第1章 「地域主体の形成」は、なぜ・いま、どのように、求められているのか
  第2章 宮崎県川南町の地元学

第2部 気づく
  第3章 「やさか地元学」の実践過程
  第4章 空間の価値構造を把握する
  第5章 富山県宇奈月温泉における観光地再生をめざした地域主体形成

第3部 共有し、結ぶ
  第6章 話し合いの手法としての「移動談義所」
  第7章 全住民参加による流域総合治水の実現に向けた樋井川流域治水市民会議
  第8章 シンポジュームによる地域合意形成

第4部 アクションをおこす
  第9章 地域空間の包括的再生に向けた市民組織としての
                           「佐渡島加茂湖水系再生研究所」
  第10章 大学を核とした全市民協働体制の構築
  第11章 大学が組織した「工学クラブ」による地域の子供たちとの連携
  第12章 地域の竹資源を使った低炭素の環境街づくり

第5部 地域主体形成研究へ向けた試み
  第13章 地域資源開発の起動と地域主体形成
  第14章 地域主体形成を問う視点



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