成熟と洗練
日本再構築ノート

松下圭一 著
定価(本体2,500円+税)
2012年8月27日発行
成熟と洗練〜日本再構築ノート
この本は、2006年からポツポツ、若い友人たちとの議論に触発されながら、対話をまじえて、私自身の考え方をつづったものである。日本の「戦後」全体に話がおよんでいるので、若い世代の方々に、ぜひ目を通していただきたいと考えている。

《転型期》にある今日の日本では何が問題なのかをめぐって、《政治文化》を中心に老若の世代それぞれの視角からのオシャベリとして、本書をまとめている。それだけに、日々、日常での論点が出ているはずである。時代状況の証言にもなっているとも考えている。

この本については、私はどこからでも読みはじめ、あるいは拾い読みでもよいようにと、考えている。また、いわゆる「茶の間」のオシャベリのかたちでこそ、市民としての「成熟と洗練」のあり方をとらえうるかもしれないという、期待もある。読みかえしてみると、転型期日本についての新しい諸論点をふくめて、私なりに、政治についての考え方のまとめとなっているようにも、思えている。

(「まえがき」から)

目 次

まえがき

〔1〕「市民」と「大衆」との間〔2〕〈小泉劇場〉と自民党の盛衰〔3〕サポーターたちの文化革命〔4〕オカミは「悪をなさず」〔5〕官僚外交の背景を考えなおす〔6〕イズムから政策・制度の選択へ〔7〕市民の可能性と世代経験〔8〕社会理論用語の移りかわり〔9〕《東日本大震災》をどうとらえるか〔10〕「政権交代」がしめす《自民党ボケ》〔11〕仲よきことはよきかな〔12〕地域活性化のシンポジウムと《自治体改革》〔13〕政治家はナグラレ屋〔14〕「都市型社会」における危機管理〔15〕国家統治から《多元・多層》政治へ〔16〕管理・連合ついで簿記〔17〕正統理論の病理学と日本の政党〔18〕ヘーゲル、ハイネとドイツ〔19〕行政会計制度は時代オクレ〔20〕トクヴィルによる「分節政治」発想〔21〕加害・被害と市民社会の論理〔22〕サラバ客観・中立・厳密信仰〔23〕〈政府・行政改革〉と政治家の覚悟とは〔24〕政策・制度づくりと「知識人」〔25〕《思いつき政治屋》と自治体計画〔26〕社会理論と市民型政治家の思考〔27〕歴史・構造、政策・交渉、制度・手続〔28〕市民活動は衰退したのか〔29〕餅状のムラ・砂状のマス〔30〕行政は劣化どころか崩壊〔31〕官僚の生態露呈は日本転型の始まり〔32〕緑のネットワークと地域景観〔33〕経済成長は各国で同型的か〔34〕マルクスの論理は市民社会型〔35〕国の政治・行政と〈官僚法学〉〔36〕官僚内閣制への逆モドリとなるか〔37〕立法は政府の権限・財源を付与・剥奪〔38〕市民の個人徳性と政治徳性〔39〕今日性をもつ政体分類論〔40〕伝統指向と市民文化の分裂〔41〕日本文化はいつつくられたのか〔42〕戦後農業政策とパイオニア農民〔43〕政策・制度は市民の「必要」〔44〕ルービンシュタイン現象とは〔45〕国家社会主義と市民社会主義〔46〕職業倫理をめぐる個人責任〔47〕論理極限と思考のバランス〔48〕日本の裁判思想と市民社会〔49〕《自民党史観》と世界地図〔50〕認識主体の階層複合性〔51〕「語学」教育崩壊と官僚思考〔52〕国ホロビルトキ、基礎自治体カラ君子イズ〔53〕3・11フクシマと《行政崩壊》〔54〕価値観念=自由の制度化〔55〕市民情報流が政治を変える〔56〕政策法務・政策財務・政策数務〔57〕政治の日常性とオールド・ライト〔58〕「政治・行政悪」と闘うテレビドラマ〔59〕市民政治と自治の機会・経験〔60〕行政立案から国会・議会立案へ〔61〕緑化にみる地域再生戦略〔62〕政策史、政策理論、政策策定〔63〕政治学は《社会工学》に変わる〔64〕都市型社会のモロサと《自治・分権》〔65〕占領・操作・同調政治と官僚再訓練〔66〕デマゴーグと政治の微分化・積分化〔67〕公民・館か、公・民館か〔68〕世界政策基準と司法試験改革の失敗〔69〕携帯電話の国際競争と国際標準〔70〕格差社会のとらえ方、考え方〔71〕東京圏で地震がおきたら〔72〕危機管理にみる予測と調整〔73〕政治リアリズムと議員たち〔74〕旧「三権分立」論と『日本国憲法』〔75〕格差社会を再論する〔76〕国会内閣制と《憲法運用改革》〔77〕「シビル・ミニマム」の考え方〔78〕「没落と焦燥」か、「成熟と洗練」か




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