本書は、「ファシリテーター」という役割に焦点をあてながら、対話や議論を実りあるものにするための理念と技法を学び(1章、2章)、その力をつけるために開発され、高い評価を得ている研修プログラムを紹介し(3章、4章)、それを通じて<つなぎ・ひきだす>ファシリテートとは何か(5章)が理解されることを目的としています。
対話・議論は、私たちの社会、とくに地域政策に「必要」なものですが、私たちの社会は、そうした対話・議論に習熟しているとはいえません。
むしろ、本音の対話や議論を「和を乱す」「空気を読まない」として避ける傾向さえあるといえます。しかし、私たちは、暮らしをめぐって起こり続けるさまざまな社会の課題を、自分たちで乗り越えていかなければなりません。
これまで対話や議論に習熟してこなかったからこそ、今、意識的にその場を活かし、その力をつけていくことが求められているのです。
そうした対話・議論をしやすくする存在が「ファシリテーター」です。近年ますます注目されているこの存在が、いったいどのようなものなのか、なぜ、どのように<つなぎ・ひきだす>対話・議論を進めていけるのか。その理念と技法、習得のしかた、それが意味するところを丁寧に説明していきます。
この本を手にとったあなたが、日々の語らいの機会を実りあるものとし、周りのひとと<つなぎ・ひきだす>必要と楽しさを感じることができることを願い、それが「つながりやすくひきだしやすい」社会に変わっていく力となることを信じて、ブックレットをお届けします。
「はじめに」より
目 次
はじめに
1章 <つなぎ・ひきだす>って何?
●ファシリテーターさんに6つの質問!
2章 議論のプロセスをファシリテートする
●ファシリテーターさんに6つの質問!
3章 対話と議論で<つなぎ・ひきだす>
〜ファシリテート能力育成プログラム
4章 ファシリテート能力育成プログラムの効果と限界
●ファシリテーターさんに6つの質問!
5章 協働型ディスカッションのファシリテーターとは
〜ことばの機能とラポールの構築
参考文献
おわりに
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