地域ガバナンスシステム・シリーズ No.10 行政学修士教育と人材育成 米中の現状と課題 |
|
坂本 勝 著 定価(本体1,100円+税) 2007年12月10日発行 |
|
近年、高等教育機関における人材育成の在り方が、グローバルな問題になっている。 ヨーロッパでは、EU加盟国を中心に、2010年までに「欧州高等教育圏」(EHEA)を設立することを目標に、新しい学位制度や単位互換制度(ECTS)の導入等の教育制度改革に取り組み、「欧州研究圏」(ERA)の設立を通じて博士研究者の人材育成に取り組んでいる。 米国では、ベビーブーム世代の大量退職による公務員の人事危機に対処するために、行政大学院における行政学修士(MPA)教育を通じて連邦政府と地方政府の幹部要員の人材育成に取り組んでいる。 また、中国では、WTOへの加盟を契機に、公共管理学院におけるMPA教育を中心に、政府の効率的な運営に貢献できる管理能力を身につけた人材育成に取り組んでいる。そして、米国では、行政大学院の増加とともに、MPAプログラムの質を保証するための認証評価機関が設置されているが、中国においても、MPAプログラムの質を評価するための認証制度の導入が喫緊の課題となっている。 本書では、まず、米国におけるMPA教育の現状と課題について検討し、次いで、米国の認証評価制度の概要とMPA教育による人材育成の現状について記述する。そして、管理能力を身につけた人材育成の「特効薬」のように期待されている中国のMPA教育の概要と課題について検討し、最後に、米国と中国のMPA教育が日本の公共政策教育にどのような示唆を与えるかについて述べることにする。 (「はしがき」より) 目 次 はしがき T 米国のMPA教育 1 公務教育における大学の役割 2 マックスウェル・スクールの設立 3 MPA教育の概要 U 米国の認証評価制度と人材育成 1 米国の認証評価制度 2 連邦公務員の概要と人事課題 3 MPA教育の人材育成 4 米国のMPA教育の課題 V 中国のMPA教育と人材育成 1 公務員制度の導入 2 行政学の再建と発展 3 MPA教育の概要 4 行政研究の視点と人材育成の限界 5 中国のMPA教育の課題 W 日本への示唆 資料『中華人民共和国公務員法』 |