増補 国際都市神戸の系譜 |
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楠本利夫 著 公人の友社 定価(本体3,900円+税) 2007年11月28日増補版発行 |
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2007年は「神戸開港140年」にあたり、神戸市では多彩な記念行事が実施されている。 この節目の年の3月に上梓した「国際都市の系譜」は、幸い多方面から好意的に受け止められ、新聞の書評などにも意外のコメントをいただいた。まことにありがたいことと心から感謝している。 初版の在庫も少なくなり、この増補版を出すこととした。増補版ではあらたに「神戸歴史年表」を加えるとともに、初版で気になっていた箇所の表現などを改めた。 年表を見ると、神戸は1868年の開港、1945年の敗戦、1995年の阪神・淡路大震災という3つの大きな試練を経験し、乗り越えてきたことをあらためて実感する。 こんにちの神戸は、150万人を超す人口を擁し、わが国を代表する国際貿易港と先端産業をもつ大都市である。同時に、神戸は美しい自然の景観と良好な環境をもつ住宅都市でもある。神戸のように、大都市として活気と利便性、住宅都市としての静謐さと恵まれた環境をあわせもつ都市は、全国的に見ても、さほど多くはない。そのうえ神戸は、日本離れした町並みに外国風の文化が溶け込んだおしゃれな町として観光客にも人気がある。神戸のこのような都市魅力の原点が140年前の開港にあることは、あらためていうまでもない。 本書では、神戸がどのようにして今日の国際都市となりえたのか、その原点である開港と外国人居留地、領事館、不平等条約改正への努力、神戸の将来への当時の市民の熱き思いなどを紹介した。 (「あとがき」より) 目 次 はじめに 序章 研究の目的、方法、要約 第1章 神戸開港の系譜〜「安政5か国条約」と神戸開港〜 第2章 神戸開港と神戸・大阪の外国領事館 第3章 神戸外国人居留地と「神戸の鹿鳴館時代」〜外国人居留地のエスノグラフィティ〜 第4章 「神戸将来の事業」〜「文明の都」づくりへの提言〜 第5章 神戸弁天浜・明治天皇御用邸〜大津事件のもうひとつの舞台〜 終章 神戸開港と都市発展の方向 神戸歴史年表 増補版へのあとがき 索引 |