福島大学ブックレット『21世紀の市民講座』 No.2
自治体政策研究ノート
今井 照 著
定価(本体900円+税)
2008年9月30日発行
具体的な事例を通して、「公共政策論」を紹介します。
本書は、数々の事例が次々と登場することになる。一般的な講義であれば、これらの事例は、そのときどきの講義の導入部分として話すべきことなのかもしれないが、公共政策論という科目の特性は、むしろこれらの事例の中に「多様な政策主体が織り成す政策過程」を読み取るというところにある。
したがって、本書は自治体の政治・行政に関心を持つ方々への「おもしろい読み物」としての価値もあるのではないかと思う。
もちろん、私たちは「事例研究ばかりで理論軽視」という批判にも応えなければならない。つまり、これらの現実に対し、一定の政策規範に基づき、何をどうすべきかを考察することが求められる。
そこで、本書では5つのテーマを立てて事例をまとめ、それぞれの物語をよみつつ、論点整理ができるように工夫している。
(「はじめに」より)
目 次
一 役所の仕事と市民との関係
1 役所のルールがもつ意味
2 市民活動と地縁団体の葛藤
3 口実としての「個人情報の保護」
4 コミュニティ論の揺らぎ
5 人口10万人で職員4人の市役所
二 公共サービス改革と「公務員」制度
1 公務員は多すぎる?
2 「公務員」とは何か?
3 市民総「公務員」化計画
4 民間委託の運用拡大
5 農協に窓口業務委託
三 自治体の責任
1 最高裁判決の衝撃
2 耐震強度偽装問題と指定管理者制度
3 最高裁判決の重み
4 大阪府知事の「勧告」の意味
5 三位一体改革のトリック
四 市町村合併と道州制
1 平成の大合併を検証する
2 自治体議会・議員とは何だろう
3 自治体選挙の30年
4 都道府県の自己否定
5 しつこく「市町村合併の検証」を
五 人材育成と任用
1 採用する側が面接されている
2 組織定員管理の戦略性とは
3 江口清三郎さんを悼む
4 人事評価は主観的である
5 職員の非行から学ぶこと
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