|
今号の特集は「全国自治会」です。
地方分権改革は、「ベースキャンプ」ができた第一次改革から次の目標に向かって二次改革のスタートをきりました。総論から各論に入った改革の歩みは、国と地方の役割を明確にして国のあるべき姿を追求する長く険しい道のりです。
一昨年4月に発足した地方分権改革推進委員会が昨年まとめた第一次勧告、そして中間報告および暮れの第二次勧告に対する霞が関と永田町の抵抗・反発は激しいものでした。
官僚と政治家の抵抗はほぼ想定されたとおりでしたが、予想外だったのは政局の混迷です。政治が流動化すれば、おのずと行政は停滞します。停滞するだけでなく、せっかく動き出した政治課題が逆戻りすることもあります。第二次分権改革は、まさしくその渦中にあるのです。
分権改革をリードするのは、全国知事会をはじめとする地方6団体です。中でも機関車役としての知事会に求められるものは大きいものがあります。
しかし、その知事会に改革の覇気がかんじられません。かつての「闘う知事会」のエネルギーをなくしてしまったのでしょうか?
地域によって事情がことなる分権改革に、統一性をもたせることの困難性はあります。しかし全体の調整を求めるあまり、対抗すべき国との交渉力が弱くなるようでは、単なる「同業団体」と何ら変わりがありません。
知事会に今求められるのは、組織内での激しい議論です。議論の応酬があってこそ知事会は活性化し、分権改革を前進させられるのです。国のあるべき将来像を確たるものとする正念場です。
(「特集」より)
目 次
【特集:全国知事会】
全国知事会に大胆な変身を提言する
柳井市長、元全国市長会副会長 河内山哲朗
分権は戦い取る認識が必要
慶應義塾大学総合政策学部教授 浅野史郎
闘う知事会よ、もう一度
−第2次分権改革の攻防の中で考える
読売新聞東京本社編集委員 青山彰久
【インタビュー】
地方分権改革推進委員会事務局長長
北海道大学公共政策大学院教授
宮脇 淳
「不正経理問題で分権が否定されるわけではない。むしろ分権という軸の中で新しい自治体を作っていくきっかけにするべきだ」
|
|