地方自治ジャーナルブックレット No.54
大阪市存続・大阪都粉砕の戦略
地方政治とポピュリズム

高寄昇三 著
定価(本体1,200円+税)
2011年2月25日発行
大阪市存続・大阪都粉砕の戦略
今度の統一地方選挙(2011年4月)は、大阪都粉砕・大阪市存続か否かを決める選挙となります。
それは単に大阪府・市、府県・大都市といった次元ではなく、「地方ポピュリズム」対「地域民主主義」、「府県集権主義」対「市町村集権主義」との戦いで、戦後、地方自治の成熟度が試される選挙でもあります。

大阪都構想については、『大阪都構想と橋下政治の検証』(2010年10月、公人の友社)で、道州制・府県制・指定都市制などの制度論のなかで、大阪都構想が無用の改革であることを論述しました。
この制度論の考察の過程で気になったのが、橋下知事の大阪都構想への戦略的手法であり、その府県集権主義の性格でした。

その後、大阪都構想の具体的問題が次第に浮上してきたので、『虚構・大阪都構想への反論』(2010年12月、公人の友社)をまとめました。総論として、大阪府・市の対立原因、具体論として、大阪都構想の実証的分析、大阪都構想の危険な動向にふれました。
この時点で、橋下知事のポピュリズム的対応がかなりはっきりとなり、大阪都構想の粉砕には、ポピュリズムとの対決が避けられない課題であるとの認識が深まりました。

本書では、地方ポピュリズムを大きな課題として追求しました。
橋下知事だけではなく、竹原前阿久根市長、河村名古屋市長も対象として、今日の地方ポピュリズム・ポピュリストの実像に迫りました。

さらに、本書では、地方ポピュリズムとマスメディアという新しい視点からも、大阪都構想の問題を整理しました。
市民がワンフレーズのムードで政策の選択をすることがないように、市民的政策討議の素材を提供するためにまとめたものです。

(「はしがき」より)

目 次

はしがき

一 地方政治とポピュリズム
  1 ポピュリズムの政治戦略
  2 ポピュリズムの政治手法

二 ポピュリズムの虚像と実像
  1 原型的竹原ポピュリズム
  2 典型的河村ポピュリズム
  3 強権的橋下ポピュリズム

三 ポピュリズムの政策検証
  1 大阪・中京都構想の虚構性
  2 不完全自治体と特別区
  3 大阪経済振興策とカジノ構想

四 ポピュリズムとマスメディア
  1 マスメディアと世論形成
  2 マスメディアと政治的中立性



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