地方自治ジャーナルブックレットNO.45 <シンポジウム>障害年金と人権 代替的紛争解決制度と大学・専門集団の役割 |
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橋本宏子・森田明・湯浅和恵・池原毅和・青木久馬・澤静子・佐々木久美子 著 企画編集 神奈川大学法学研究所 定価(本体1,400円+税) 2007年6月25日改訂版発行 |
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公的年金制度というと、まず浮かんでくるのは老齢年金ですが、年金制度から支給されるのは老齢年金だけではありません。 一般にはなじみが少ないですが、障害年金も重要な公的年金のひとつです。 ある日突然、病気やケガで心身に障害が残り、日常生活が不自由になり、働けなくなってしまった。こういう時にクローズアップされてくるのが障害年金の存在です。 したがって、障害年金は、若い人々にも関係する重要な年金なのです。 本書に収められたシンポジウムでは、このあまり知られていない障害年金を取り上げ、障害年金とはどのようなものなのか、そこにはどのような問題が内在しているのか、問題を解決するためにはどうしたらよいのか、大学や地域には、問題解決に向けどのようなことが求められているのか、を検討しています。 目 次 第1章 シンポジウムを理解するために(橋本宏子) 1 公的年金は、老齢年金だけではない −重要だが知られていない障害年金 2 シンポジウムのねらい −障害年金と代替的紛争解決制度 3 もう一つの年金「障害年金」はどう使うか −制度の仕組み、現状と課題を考える 4 シンポジスト/報告者の位置づけ 5 シンポジウムを通じて、発展させていきたいこと 第2章 《シンポジウム》障害年金と人権 −代替的紛争解決制度と大学・専門集団の役割 シンポジウム報告1 障害年金と私 −社会保険審査会の容認裁決を得るまで(湯浅和恵) 1 スティーブンス・ジョンソン症候群という病気 2 発症10年たって障害年金の存在をはじめて知る 3 申請・認定・不服申立て・再審査請求 4 障害認定日1年半後の目の状態の証明に苦労 5 社会保険審査会 6 社会保険制度を障害者が平等に活用できる制度に シンポジウム報告2 弁護士からみた障害年金(池原毅和) 1 「憲法問題」としての学生無年金者問題 2 「初診日」問題 3 裁判手続、権利擁護手続へのバックアップの緊急性 シンポジウム報告3 障害年金の受給が難しいのはなぜか −障害者支援(青木久馬) 1 我が国の障害年金制度の実態 2 障害年金の受給者はなぜ少ないか−初診日の壁 シンポジストの補足意見 1 〈湯浅氏の補足意見〉認定の裏事情をいかに伝えるかが重要 2 〈池原氏の補足意見〉初診日主義の問題点 3 〈青木氏の補足意見〉障害年金支援ネットワーク 特別補足意見 障害年金制度および申請手続について(澤静子) 会場からの質問と回答 質問1 障害者数と障害年金受給者数の大きな違いのわけは? 質問2 障害年金と生活保護法63条の返還命令 質問3 保存期限5年のカルテを守る方法は? 質問4 申請を却下された後に取り得る手続は? 質問5 特別障害給付金についての評価は? 質問6 老齢基礎年金と障害基礎年金の違い 質問7 社会保険労務士や弁護士費用は? 第3章 シンポジウムに参加して −専門家からのコメント(佐々木久美子) 1 障害年金は当然の権利 2 特定非営利活動法人[障害年金支援ネットワーク]の活動−関東の現状 〔参考資料〕 |