今、地方で何が起こっているのか
崩壊と再生の現場から
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朝日新聞大阪本社編集局「地方は」取材班
定価(本体1,600円+税)
2008年1月30日発行
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私はこんなことを口走った。
「地方で起きている『本当のこと』を新聞は伝え切れているか」
「靴が泥だらけになるほど、記者が歩き回り、書き上げた記事が読みたい」
崩壊に直面した地方の姿、そこから何とか再生しようとする地方の姿を、伝聞ではなく、記者が直接見て、触れて、その土地を直接踏んで確かめ書き上げた、ごつごつした手触りの記事がほしいという、部長としての挑発だった。
(中略)
このとき、記者やデスクたちは「今からでも取材にいく」といった勢いで話し始め、その場で連載企画の検討が始まったと記憶している。
〜序文より〜
本書は、2006年3月から朝日新聞大阪本社発行紙面に掲載された連載記事「地方は」のシリーズをもとに、加筆・修正したものです。
記者たちは、現場によっては半ば住み込み、長いところでは3週間以上も滞在し、100人を超す人たちに取材しました。
そこに生きる人々の声を徹底的に取材した、記者たちの実感に裏打ちされた記事によって描かれる、崩壊する、そして再生する地方の実態です。
目 次
序文
1 限界集落から〜高知県大豊町〜
【プロローグ】
第1章 四国山地からの報告
第2章 増える限界集落
リアルな重さを引き出す:長野大学教授(高知大学名誉教授) 大野 晃
2 国民皆保険の足下で〜大阪府門真市〜
【プロローグ】
第1章 国保滞納にあえぐ街
第2章 払えない人たち
第3章 全国調査から
福祉の充実には負担が必要:同志社大学教授 橘木俊詔
3 自治体破綻の現場から〜北海道夕張市〜
【プロローグ】
第1章 破綻
第2章 再生へ
第3章 夕張の教訓
夕張ショックで残念だったこと、希望があること:関西学院大学教授 小西砂千夫
4 葉っぱが町を生き返らせた〜徳島県上勝町〜
第1章 葉っぱビジネス
第2章 「ごみゼロ」を掲げる環境先進地
第3章 町の最重要課題 過疎と少子高齢化
5 議会は変われるか
【プロローグ】
第1章 「口利き」が議員の仕事?
第2章 提案する議会
第3章 広がるマニフェスト
第4章 議会を監視する
執行部優位の転換を:東京大学名誉教授 大森 彌
終わりに
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